トロン(TRON)とは?
R:Real-time
O:Operating system
N:Nucleus
の略。
1986年 通産産業省・文部省が主導し、日本の学校教育における標準OSとして検討し、日本企業の多くが賛同。
1989年 トロンは日米経済摩擦によるスーパー301条の対象となり、松下以外すべてのメーカーがMicrosoftのMS-DOSに変更してしまう。
トロンはWindousよりも先に誕生したOSでしたが、時期が悪くトロンの存在は米国に危機感を与える存在として圧力がかかり、一般的には幻のOSとなってしまいました。
トロン(TRON)の思想
1987年に坂村博士は、
「それを実現させるためのプロジェクトだ。」
と語っています。
また、その事を分かりやすく
と例えています。
1987年に現在のIoT社会を予見していたのです。
ちなみに、ファミコンの発売が1983年。
PCエンジンの発売が1987年です。
世の人々が黎明期のゲーム機でピコピコ遊んでいた時代です。
その時代に、ここまで予見していた先見性は驚くばかりです。
トロン(TRON)は生きていた
一般人からは消滅したかと思われていたトロンですが、組み込み用OSとしての開発は続けられてきました。
その名も「TRONプロジェクト第2ステージ」
BTRON(パソコン向けOS)は頓挫してしまったものの、ITRON・μITRON(組み込み用OS)は生き残り、成功を収めています。
トロン(TRON)が国際基準規格OSに制定
2018年9月にTRONはIEEE標準規格として正式に成立、国際基準規格OSに制定されました。
ITRON・μITRON(組み込み用OS)は、カメラの制御や自動ブレーキの制御、はては電子ケトルにも使われています。
今使っているパソコンやスマホの約6割の部品が、TRONで制御されているのです。
ちなみに、小惑星探査機の「はやぶさ2」の制御もμITRONです。
そしてIoT時代の波に乗り、組み込みOSとしてのTRONは世界を席巻しつつあります。
そうです、1987年に坂村博士が予見した時代になったのです。
いや、時代が坂村博士の思想に追い付いたと言うべきでしょうか。
今後もIoT化は加速していく
今後益々小型機器や部品のIoT化は増えて行きます。
20年前の自動車は、空燃比計算くらいにしかコンピューターを使いませんでしたが、今や自動車は自動運転や自動ブレーキ等で電子機器が満載です。
それらに使う一つ一つの部品カメラだったりモニターだったり、モーターだったりトルクコンバーターだったり、インバーターにもTRONが組み込まれています。
当然自動車だけでなく、お風呂を沸かすコントローラーだったり、LED照明だったり、液晶テレビだったり、今や
の時代なのです。
ちなみに、任天堂から発売されているゲーム機「Nintendo Switch」も、μITRON4.0仕様に準拠したOSをコントローラーに採用しています。
一度は破れたと思われていた夢、国産OS「TORN」
しかし、「より良い時代にしたい」という気持ちと「諦めない」坂村博士の思いは、時代を引き寄せたのです。
参考サイト
今回は以上です。
ではまた!
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