国産OS「トロン」が今後国際標準に

パソコン知識
こんにちは、レビルです。
今回は、「国産OS「トロン」(TRON)Windous以前に存在したOSが進化し国際標準に制定」です。
日本が世界に先駆けて開発したOS「トロン」(TRON)1989年の経済摩擦によって日の目を見る事がありませんでしたが、IoT時代の到来とともに、「世界標準規格OS」になりました。
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トロン(TRON)とは?

T:The
R:Real-time
O:Operating system
N:Nucleus

の略。

1984年 工学博士「坂村健」氏により、リアルタイムOS「トロンプロジェクト」を開始。
1986年 通産産業省・文部省が主導し、日本の学校教育における標準OSとして検討し、日本企業の多くが賛同。
1989年 トロンは日米経済摩擦によるスーパー301条の対象となり、松下以外すべてのメーカーがMicrosoftのMS-DOSに変更してしまう。

トロンはWindousよりも先に誕生したOSでしたが、時期が悪くトロンの存在は米国に危機感を与える存在として圧力がかかり、一般的には幻のOSとなってしまいました。

ただ、TRONがスーパー301条のターゲットにならなかったとしても、激戦区のパソコン用OSとしてTRONが生き残れたかは不明ではあります。

トロン(TRON)の思想

1987年に坂村博士は、

「未来の地球人類では、身の回りのあらゆる小さな部品にまでコンピューターが組み込まれ、それらがバラバラに動くのでは無くネットワークによって連携される。」
「それを実現させるためのプロジェクトだ。」

と語っています。

また、その事を分かりやすく

「どこでもコンピューター」

と例えています。

1987年に現在のIoT社会を予見していたのです。

ちなみに、ファミコンの発売が1983年。
PCエンジンの発売が1987年です。

世の人々が黎明期のゲーム機でピコピコ遊んでいた時代です。

その時代に、ここまで予見していた先見性は驚くばかりです。

トロン(TRON)は生きていた

一般人からは消滅したかと思われていたトロンですが、組み込み用OSとしての開発は続けられてきました。

その名も「TRONプロジェクト第2ステージ」

BTRON(パソコン向けOS)は頓挫してしまったものの、ITRON・μITRON(組み込み用OS)は生き残り、成功を収めています。

組み込み用OSとは
パソコンやスマホのOS、WindousやiOS、Androidとは違い、小さな機器に組み込むOSです。

トロン(TRON)が国際基準規格OSに制定

2018年9月にTRONはIEEE標準規格として正式に成立、国際基準規格OSに制定されました。

ITRON・μITRON(組み込み用OS)は、カメラの制御や自動ブレーキの制御、はては電子ケトルにも使われています。

今使っているパソコンやスマホの約6割の部品が、TRONで制御されているのです。

ちなみに、小惑星探査機の「はやぶさ2」の制御もμITRONです。

そしてIoT時代の波に乗り、組み込みOSとしてのTRONは世界を席巻しつつあります。

そうです、1987年に坂村博士が予見した時代になったのです。
いや、時代が坂村博士の思想に追い付いたと言うべきでしょうか。

今後もIoT化は加速していく

今後益々小型機器や部品のIoT化は増えて行きます。

20年前の自動車は、空燃比計算くらいにしかコンピューターを使いませんでしたが、今や自動車は自動運転や自動ブレーキ等で電子機器が満載です。

それらに使う一つ一つの部品カメラだったりモニターだったり、モーターだったりトルクコンバーターだったり、インバーターにもTRONが組み込まれています。

当然自動車だけでなく、お風呂を沸かすコントローラーだったり、LED照明だったり、液晶テレビだったり、今や

「なんでもコンピューター」

の時代なのです。

ちなみに、任天堂から発売されているゲーム機「Nintendo Switch」も、μITRON4.0仕様に準拠したOSをコントローラーに採用しています。

一度は破れたと思われていた夢、国産OS「TORN」

しかし、「より良い時代にしたい」という気持ちと「諦めない」坂村博士の思いは、時代を引き寄せたのです。

参考サイト

Wikipedia

 

今回は以上です。

 

ではまた!

 

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