家庭用ゲーム黎明期かつ、数多くのゲーム機がしのぎを削り合う1983年
この群雄割拠の時代、キラ星の様に現れ世界中を席巻した任天堂「ファミリーコンピュータ」通称「ファミコン」がなぜ爆発的ヒットになったかを性能面で見てきたいと思います。
性能対比一覧表
ここでは、ファミコン以外はどれも似たような性能なので(その他ゲーム機やMSX等ほとんどセガSG-1000と性能的に変わりませんでした)、対比の対象を
「カセットビジョン」
とで対比していきます。
ファミコン | セガSG-1000 | カセットビジョン | |
---|---|---|---|
CPU | リコー製RP2A03 1.79MHz動作 | NEC μPD780C | NEC D777C |
最大発色 | 52色中25色 1キャラ中4色 | 16色 1キャラ中2色 | 8色 1キャラ中1色? |
VRAM | 2kバイト (16kビットSRAM) | 16kバイト | 不明 |
サウンド性能 | パルス波(メロディ)×2 三角波(ベースライン)×1 ノイズ(ドラム系)×1 DPCM(サンプリング音源)×1 | パルス波×3 ノイズ×1 | 単音 |
CPU対決
処理速度の順番は
となります。
ファミコンが搭載するRP2A03というCPUはモステクノロジー社の「6502」をベースにサウンド機能を内蔵したCPUです。
当時のほとんどのライバル機はZ80というCPUを搭載していましたが、ファミコンはマイナーでコピーされにくい&ファミコン用にカスタムしたGPUと相性が良い「6502」を選択しました。
処理速度的には6502とZ80はほとんど変わらないのですが、若干ファミコンの方が速かったようです。
カセットビジョンはゲームソフト側にCPUを搭載していた為、性能詳細は公表されていません。
予想ではかなり低性能だったと思われます。
最大発色数対決
当時のライバル機種の中でファミコンだけが突出したグラフィック性能を持っていました。
こうして表にしてみると、差が歴然です。
発色数の多さはキャラクターの豊かな表現力に繋がります。
表では書いていませんが、滑かにキャラクターが動く事や、滑らかなスクロールも当時はファミコンだけで、その他のゲーム機はカクカクした動きでした。
ファミコンの写真を4色で表現したイメージ(3色+他と共通した1色なので、実際にはこれよりほんの少し表現力は落ちます)
ファミコンの写真を2色で表現したイメージ(16色中の2色なので、実際にはこれよりも表現力は落ちます)
ファミコンの写真を1色でドットが荒いのをイメージ(カセットビジョンのドットが大きいのでイメージよりも大幅に表現力が落ちます)
VRAM対決
ファミコンのVRAMは少なく、セガSG-1000に大きく負けています。
しかしファミコンはゲームカセット側にVRAMを搭載すればそこからもメモリとして使用できたので、ゲームタイトルによってはカタログスペック以上にもなっていました。
ここでは拡張性を除き本体性能として勝敗を決めたいと思います。
サウンド性能対決
サウンド性能でもファミコンは他を凌駕していました。
当時は多くてもPSG音源という音源で3重和音+ノイズが一般的で、単音のゲーム機も少なくありませんでした。
そんな時代に低価格の家庭用ゲーム機であるのにメロディー3重和音+ドラム+サンプリング音源というのは、ほとんどオーパーツです。
ファミコンのメロディーで特徴的なのは、三角波という音源で、これはシンセサイザーとまでは行かないですが、かなり豊かな音の表現ができました。
とういうほとんどにおいて圧勝という結果になりました。
ザク(一部ボール)が群雄割拠していた時代に、オーパーツともいえる異次元性能で登場したファミコンは正に「ガンダム」が現れたようなものです。
そう考えたら確かに無双状態になるはずですよね。
リベンジを期すセガとエポック
その後、1984年に前時代の覇者エポックから
1985年に
が登場します。
後発であるため一部ファミコンに勝る性能もありましたが、トータルでは若干劣る性能という事と、もはや確立された市場には太刀打ちできませんでした。
スーパーカセットビジョンは2年後の1986年末に撤退し、ゲーム機の幕を閉じています。
累計ソフト数は30本でした。
セガマーク3は最後まで数多くの周辺機器やコアなファンにも支えられ、果敢に健闘しましたが世界シェアはファミコンが90%、セガマーク3は9.1%で大差が付いていました。
セガの闘争心は折れず、次世代機「メガドライブ」でリベンジのリベンジを期することになります。
今回は以上です。
サターン対プレイステーションの記事もありますので、よろしければご覧ください。
ではまた!